各職種ごとの市場

臨床検査技師
年間4000名を超える合格者を輩出し、約66,000人の方が臨床検査技師として働いています。最も多くの方が働いているのが病院です。次に多いのが、クリニックや健診施設。いわゆる医療機関と言われる環境で働いている臨床検査技師が約70%になります。
「臨床検査技師JOB」の求人の割合も病院43%/クリニック・健診施設41%となっており、全体の83%が医療機関からの依頼です。
特に医療機関からの依頼の多くは、超音波検査の経験者です。ただ、超音波検査の経験者は転職市場においても非常に少なく、いつまでも採用に至らないケースが多く見受けられます。弊社の臨床検査技師JOBの登録者の中でも、超音波検査以外の他の生理機能検査や採血、検体検査など、しっかりと経験を積んだ優秀な臨床検査技師がたくさんいます。超音波検査未経験の方を採用しトレーニングする事で数年後の戦力化を図る事をお勧め致します。
また、昨今では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によりPCR検査を請け負っている検査センターやワクチン開発を行う治験業界のCRC(治験コーディネーター)の求人依頼が非常に増えております。その他には、医療機器メーカーからのアプリケーションスペシャリストの求人依頼もあり、臨床検査技師の採用市場は非常に活発です。
年々、幅広く臨床検査技師の採用ニーズが広がっておりますが、病院の採用ニーズはこれから数年を掛けて更に高まるでしょう。新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、患者の受診離れを引き起こしました。患者数が減少する事により当然検査数が少なくなり、臨床検査技師の業務量にも影響を与えているようです。コロナが本格的に終息を迎えたタイミングで、臨床検査技師の人員不足に拍車がかかり、採用ニーズが一気に高まりを見せる事になるでしょう。
臨床検査技師の採用が難しくなる前に、早めに臨床検査技師の人員体制を整えておくことをお勧めいたします。
診療放射線技師
毎年、約2000名の合格者を輩出し、約50,000人の方が診療放射線技師として働いています。最も多くの方が働いているのが病院やクリニック、健診施設などの医療機関です。
弊社の掲載求人の割合もクリニック・健診施設51%/病院47%となっており、全体の97%が医療機関です。その他、医療機器メーカーの求人も一部ありますが、ほとんどが医療機関の求人です。
健診ニーズの高まりを受け、マンモグラフィー経験者を希望している医療機関のニーズが年々高まっています。特に検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師の認定者を求める医療機関が多く、この傾向は更に高まると言えるでしょう。現時点では、少し診療放射線技師の人数が多くなったとしても早めにマンモグラフィ認定者を確保しておくこと重要です。
臨床工学技士
毎年、約2,000名の合格者を輩出し、約20,000人の方が臨床工学技士として働いていると言われております。そのうち、約97%(※1)の方が医療機関で働いております。
臨床工学技士の業務範囲は血液浄化から人工呼吸器、人工心肺装置、心臓カテーテル、その他の医療機器の保守・運営まで広い範囲にわたっており、「医療機器」を用いた生命維持管理、治療では欠かすことの出来ない存在です。
臨床工学技士の約5割(※1)が血液浄化に専門的に携わっており、他の業務との兼務で携わっている人数も含めると、約65%の臨床工学技士がなんらかの形で血液浄化に携わっている事になります。弊社の掲載求人の割合も約77%が血液浄化の仕事です。今後も血液浄化の経験者の採用ニーズは高まりを見せるでしょう。
また、昨今では、新型コロナウイルスの重症患者に使用されるECMO(体外式膜型人工肺)がニュースでも取り上げられておりますが、ECMO以外にも医療機器の高度化に伴い、臨床工学技士の採用ニーズが高まりを見せる事が想定されます。現時点では少し余剰な人員確保になったとしても、将来を見据えて早めに臨床工学技士を採用し育成しておくことが採用のポイントになるでしょう。
参考:「臨床工学技士の業務実態調査 2020」公益社団法人日本臨床工学技士会
胚培養士
胚培養士の就業先は、全国約600施設ある体外受精実施施設(ART施設)になります。就業するART施設のほとんどが、レディースクリニックや不妊治療専門クリニックになりますが、ほかにも大学附属病院や日本赤十字社医療センター、総合病院など大病院の産婦人科で活躍する胚培養士もいます。
弊社の掲載求人の約90%が民間のレディースクリニックや不妊治療専門クリニックになります。2022年4月より不妊治療が保健適用される事となり、不妊治療を希望する患者が増える事が想定されます。年々、胚培養士の採用の依頼をいただくクリニックは増えてますが、2022年以降、更に胚培養士の採用ニーズは高まりを見せるでしょう。特に胚培養士の経験者は人数が少なく、弊社の転職希望者の中でも経験者は1割にも満たない状況です。胚培養士の即戦力として経験者を探すよりも、未経験から採用し育成する事が人材確保の近道です。特に最近では、胚培養士の仕事に馴染みやすい臨床検査技師の中で胚培養士を目指す方が増えてます。臨床検査技師の未経験者を胚培養士として育成する事が採用成功のポイントになるかと思います。
CRC(治験コーディネーター)
大手SMO(治験施設支援機関)から中小SMOまで、CRCの採用ニーズは非常に高まっております。特に昨今の治験業界では、新型コロナウイルスのワクチン開発の需要が増えた事により、CRCの採用が急務となっております。求人の増加に伴い、CRCへの転職希望の看護師、臨床検査技師の登録が増えております。人数は少ないのですが、CRC経験者からの登録も増えてきております。CRCの採用市場は非常に活発と言えるでしょう。